再生療法

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執筆者:院長 歯科医師 加藤 高英

失われた歯周組織の再生を目指す
~再生療法~

インプラント治療では抜けた骨のところにインプラント体を埋め込みます。しかし歯周病などで歯ぐきや骨が溶けてしまうと、インプラント体を埋め込むだけの高さを確保できません。インプラント治療をあきらめるしかないのでしょうか?

「天山歯科医院」では、一度失われた骨や歯ぐきを再生させる再生療法を行っています。骨の厚みが不足しているなどの理由によって、他院でインプラント治療を断られた方も、まずは当院へご相談ください。

再生療法とは

再生療法とは

歯周病では、歯をとりまく歯周組織、歯ぐきや骨などを歯周病菌が溶かしていきます。歯周病治療によって歯周ポケットに溜まった細菌や細菌におかされた組織などを除去することはできますが、ほとんどの場合、いったん失われた組織を自然に再生させることはできません。

これ以上の歯周病の進行を食い止めて、歯が抜け落ちることを防げても、溶けてしまった歯周組織はそのままです。歯ぐきが溶け歯が露出することで、歯が伸びて見えたり、歯のすき間が大きくなったりしてしまうのです。

このような状態を解消する治療として、歯周組織の破壊が局所的にとどまっている場合には、組織の再生を促す再生療法が可能です。ただし、重度にまで歯周病が進行して、組織の破壊が広範囲にわたっている場合には再生できないこともあります。

当院で行っている治療法

当院では次のような再生療法に対応しています。患者さんの状態やご要望によって、最適な治療のご提案を行っていますので、分からない点がございましたらお気軽にお尋ねください。

GBR法

GBRとは骨誘導再生法のことで、骨の再生を促す特殊な膜を使用して、骨の量を増やす治療法です。骨が不足している部分に、「メンブレン」という人工膜をかぶせます。患者さんの状態によりますが、一般的には4~6ヶ月で骨が再生されます。

CTG法

CTGとは結合組織移植術のことで、上あご(口蓋)から採取した結合組織を移植して、歯ぐきの厚みを増やす手術です。歯ぐきにボリュームが出るので、見た目がよくなり、虫歯予防にもつながります。

FGG法

FGGとは遊離歯肉移植術のことで、口蓋から結合組織とともに角化歯肉を採取して、失われた歯ぐきの場所に移植する手術です。インプラントまわりの組織も安定させることができ、セルフケアがしやすくなります。

フラップ手術

歯周ポケットが深くなると、奥にひそんでいるプラークや歯石の除去は困難です。そこで歯ぐきを切開して、プラークを徹底的に除去してから歯ぐきを縫合します。フラップ手術によって歯ぐきが引き締まり、歯周ポケットが浅くなることが期待されます。

ただしフラップ手術だけでは失われた骨を回復させることができません。このため、再生療法が必要となるのです。

CGF

CGFとは「完全自己血液由来フィブリンゲル」といい、患者さんから採取した血液由来のゲルです。損傷された組織の再生や治癒にはたらく成長因子を多く含んでいます。添加物を一切含んでいないため、安心、安全な材料です。

AFG

抗凝固剤が含まれておらず、自然な状態に近い血しょうです。血しょうには細胞の末端までに栄養やホルモンを運ぶはたらきがあります。AFGに骨補てん剤を混ぜてゲル状にすることで、再生能力を向上させることができます。

リグロスによる歯周組織再生療法(保険適用)

「リグロス」という薬剤を歯根の表面に塗布して、歯周組織の再生を促す治療法です。リグロスの成分は細胞を増やす成長因子で、この成長因子のはたらきによって、歯周組織の周囲にある細胞を増やし、血管をつくって細胞に栄養を送り込みます。

なお、リグロスによる歯周組織再生療法は保険が適用されます。

治療の流れ
1歯ぐきの切開
歯槽骨が失われている箇所の歯ぐきを切開します。
2プラークや歯石の除去
フラップ手術によって歯ぐきを骨から剥離し、プラークや歯石を徹底的に除去します。
3リグロスの塗布
歯槽骨が失われている箇所にリグロスを塗布します。
4歯ぐきの縫合
切開した歯肉を縫合して、歯槽骨が増えてくるのを待ちます。定期的に歯科医院を受診して、検診を受けるようにしましょう。