虫歯治療・歯周病治療

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執筆者:院長 歯科医師 加藤 高英

虫歯や歯周病は早期治療がポイント
~一般歯科~

虫歯や歯周病は歯の代表的な病気です。こちらでは虫歯治療や歯周病治療を行っている一般歯科について、ご説明します。

虫歯、歯周病ともに初期の段階では自覚症状がほとんどなく、気づいたときにはかなり進行していることの多い病気です。しかし早期に治療すれば、治療期間も費用もからだへの負担も軽くすみます。歯科医院を定期的に受診して、虫歯や歯周病の早期発見に努めましょう。

虫歯について

虫歯について

「歯が痛い」「しみる」といった症状があれば虫歯にかかっているのかもしれません。虫歯は放置しても自然に治ることはなく、むしろ少しずつ進行していきます。手遅れになると、大切な歯を失う原因になることも。虫歯に気づいたら早めに当院へお越しください。

虫歯の原因

虫歯の原因

虫歯の直接の原因は、お口の中にあるミュータンス菌などの虫歯菌です。しかし、虫歯菌が存在していれば必ず虫歯になるというわけではありません。

虫歯菌はお口の中に残っている糖分をエサにして、歯の表面にネバネバの「プラーク」といわれる細菌のかたまりを付着させます。このプラーク中の細菌が「酸」を発し、歯のエナメル質を溶かしていくことで、虫歯になってしまいます。

すなわち、歯の質、糖分、細菌という3つの要素に、時間の経過が加わることによって虫歯が発生するというメカニズムです。

虫歯のチェックリスト

虫歯のチェックリスト

虫歯の治療は初期の段階で行うのがポイントです。とはいえ、初期段階の虫歯ではほとんど自覚症状がありません。次のチェックリストをつかってセルフチェックを行い、虫歯にかかっていないか確認してみましょう。

  • 冷たいものがしみる
  • 熱いものがしみる
  • 噛み締めると歯が痛い
  • 何もしなくても歯が痛い
  • 歯の表面の色が濁っていたり、黒ずんでいたりする
  • 歯に穴があいている
  • 穴があいているけれど、痛みはとくにない
  • 歯と歯の重なっている部分がある
  • 歯がざらついている
  • デンタルフロスを使用すると切れやすい
  • 間食が多い
  • 歯間ブラシやデンタルフロスをあまり使用していない
  • 今までに虫歯にかかったことがある

上のリストで気になる点があれば、虫歯にかかっている可能性があります。虫歯は知らず知らずのうちに進行していきますので、早めに当院までお越しください。

虫歯の進行段階と治療法

※表は左右にスクロールして確認することができます。

進行段階 症状 おもな治療法
CO:初期の虫歯
初期の虫歯
まだ歯に穴はあいていませんが、歯の表面が濁って見えます。虫歯菌によって生み出される酸によって、歯の表面のエナメル質が溶けはじめている状態です。痛んだり、しみたりなどの自覚症状はありません。 この状態であれば、歯の再石灰化によって、健康な歯の状態に戻せる場合があります。適切なブラッシングやフッ素塗布によって歯の再石灰化を促しましょう。
C1:エナメル質の虫歯
エナメル質の虫歯
歯の表面のエナメル質が虫歯菌におかされて、穴ができはじめています。痛みやしみるなどの自覚症状は、まだほとんどありません。まれに冷たいものがしみることがあります。 虫歯菌におかされた部分を小さく削りとって、レジン(歯科用プラスチック)で埋める処置を行います。
C2:象牙質の虫歯
象牙質の虫歯
エナメル質の下にある象牙質まで虫歯菌におかされた状態です。冷たいものがしみたり、甘いものがしみたりなど、自覚症状があらわれます。 虫歯菌におかされた部分をきっちり削り取ってから、インレー(詰め物)やクラウン(被せ物)で歯の機能を補います。
C3:神経に達する虫歯
神経に達する虫歯
虫歯が象牙質の内部の神経部分まで進行している状態です。表面の穴は小さく見えても、内部まで虫歯が広がっていることも。何もしなくてもズキズキ痛むようになります。 神経や血液を除去してから根管内をきれいに洗浄し、再び細菌におかされないように薬剤を充てん、密閉します。この治療法を「根管治療」といい、抜歯を避けることにつながります。
C4:歯根に達する虫歯
歯根に達する虫歯
歯ぐきからの上の部分がほとんど失われて、歯の根だけが残った状態です。神経が死んでしまっているので痛みは感じなくなります。しかし、歯根の先に膿が溜まると、再び激しく痛みます。 この状態で放置しておくと、全身の健康を害することもあります。一般的には抜歯して、インプラントや入れ歯で噛む機能を補います。

歯周病は全身にも影響を与える怖い病気です

歯周病は全身にも影響を与える怖い病気です

「歯ぐきが腫れている」「歯ぐきから出血する」……。これらの症状は、歯周病のせいかもしれません。歯周病は痛みなどの自覚症状がありませんが、放置しておくと、少しずつ歯ぐきやあごの骨を溶かしていきます。

日本人の成人の8割がかかっているといわれる感染症で、直接の原因菌は歯と歯ぐきの間に溜まったプラークにひそむ歯周病菌です。歯周病の進行によってあごの骨が溶かされていくと、最終的に歯を支えきれなくなり、歯がグラグラになって抜け落ちてしまうことも。

実際のところ、日本人が歯を失う一番の原因は虫歯ではなく歯周病といわれています。しかも感染症である歯周病は、糖尿病や心疾患や脳血管疾患、骨粗しょう症、誤嚥性(ごえんせい)肺炎、低体重児出産や早産など、さまざまな全身疾患とも深く関わっているのです。

生まれ持った大切な歯を守るために、そしていつまでも健康的に暮らすために、歯周病をしっかり予防しましょう。

歯周病の進行度合いと症状

歯周病は歯ぐきに炎症を起こす歯肉炎から始まり、あごの骨も溶かされる歯周炎へと進行していきます。歯周病の進行度合いが進むにつれて、歯と歯ぐきの間の溝である「歯周ポケット」が深くなります。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

進行段階 症状
歯肉炎
歯肉炎
歯ぐきのまわりに軽い炎症が起こっています。ブラッシング時に出血することがあります。歯周ポケットの深さは3ミリ程度です。
軽度歯周炎
軽度歯周炎
歯を支えるあごの骨が溶けはじめています。歯ぐきが腫れたり、出血したり、冷たいものがしみたりなどの自覚症状がではじめます。歯周ポケットの深さは4ミリ程度です。
中等度歯周炎
中等度歯周炎
歯を支えるあごの骨が半分ほど溶けています。歯ぐきの腫れや出血がひどくなり、口臭がきつくなったりします。歯が浮く感じがしたり、歯が伸びて見えたりすることも。歯周ポケットの深さは6ミリ程度です。
重度歯周炎
重度歯周炎
歯を支えるあごの骨が大きく溶けてしまし、歯のグラつきがひどくなります。口臭はいっそうひどくなり、このまま放置しておくと歯が抜けてしまうこともあります。歯周ポケットの深さは8ミリ程度です。
歯周病治療メニュー

当院では次のような治療メニューで歯周病に対応しています。歯を支えるあごの骨が大きく溶けてしまっている場合には、歯ぐきや骨などの歯周組織を再生する「再生療法」を行っています。

スケーリング

スケーリング

「スケーラー」という器具を使用して、歯面に付着したプラークや歯石などをきれいにとり除く治療です。毎日ブラッシングしていても、どうしても汚れやプラークはこびりついてしまいます。スケーリングによってプラークや歯石を徹底除去することで、歯周病の改善を目指します

ルートプレーニング

ルートプレーニング

ルートとは「歯根」のことで、歯根面の汚れを「キュレット」という器具を用いてきれいに除去してから、なめらかに整える治療です。歯根の表面をツルツルに磨き上げることで、プラークの再付着を防ぐことにつながります。

歯周ポケットそうは術

歯周ポケットそうは術

歯周ポケットの中にプラークや歯石が大量に付着している場合に行われる外科的処置です。歯ぐきに局所麻酔をしてから、歯の表面の汚れと、感染した組織を取り除きます。比較的軽度の歯周病に対して行います。

フラップ手術

フラップ手術

歯周ポケットそうは術で汚れや感染組織を除去できないような、進行した歯周病に対して行う治療です。局所麻酔をしてから歯ぐきを切開し、歯周ポケット奥深くに溜まっているプラークや歯石を取り除きます。処置が終わったら歯ぐきを元通りに縫合します。

歯周病予防には定期的なクリーニングが大切です

歯周病はプラーク内の細菌が原因ですので、プラークを溜めないこと、すなわち「プラークコントロール」が歯周病予防の基本です。毎日のブラッシングでプラークの除去を目指すようにしましょう。

しかし、セルフケアだけでプラークや汚れの完全除去は困難です。そこで落としきれない汚れをするために、歯科医院で定期的にクリーニングを受けるようにしましょう。

定期的に歯科医院へお越しになり、検診やクリーニングを受けることで、良好な口内環境を維持することができます。初期の歯周病の発見にもつながりますので、とくにトラブルがなくても3ヶ月~半年に1度程度の定期検診を受けるようにしましょう。